大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

内視 鏡検査は病 巣(びょうそう)部を直接観察できることが大きな特徴です。主病巣の位置や大きさだけでなく、病巣の拡がりや表面の形状(隆起(りゅうき)や陥凹(かんお う))、色調などから、病巣の数やある程度の深達度(しんたつど)が判断できます。

色素内視鏡検査といい、発見困難な凹凸のない病巣は色素と呼ばれる染色液を使って探す方法もあります。

もう1つの内視鏡検査の大きなメリットは、直接細胞を採り(生検:せいけん)、病理検査ができるため、病気の判定に役立っています。

大腸内視鏡検査では、約1日分、便秘の方で2〜3日分の便が腸内にたまっているため、事前に腸内を空にしなくてはなりません。一般的な方法は2リットルの 下剤を飲んでいただき、3〜4時間後に検査を行います。当院では、下剤を飲まずに約1.5時間の大腸洗浄の後に検査を行うこともできます。

大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎などの疑いがあれば、一部を採取し組織検査をします。また、切除可能なポリープは切除することもあります。


 大腸内視鏡検査を受けられる前に

検査前日   
●海 藻やキノコ の摂取は控えて下さい
●まるべく消化のよいものを摂取しましょう
●就寝前に指定の下剤を服用してください
●早めの就寝を心がけましょう
    
検査当日   
●午 前の検査の 場合は朝食を控えめにしてください
●午後の検査の場合は昼食を控えめにしてください

検査直前   
大腸 洗浄の場合
1.  約1時間 の大腸洗浄をおこないます
2. トイレで残った便を出していただきます
3. 鎮静剤の注射をする場合は点滴をします
        
2 リットルの下 剤の場合
1.  検査の4 時間前から下剤を飲んでいただきます
2. トイレで数回排便していただきます
3. 直前に浣腸をします
4. 鎮静剤を注射する場合は点滴をおこないます

検査後   
鎮静 剤を使用し た場合
クル マの運転は 控えて下さい
    
ポ リープ切除を した場合
出 血・腹痛など があればただちにご連絡下さい



 下剤のいらない大腸内視鏡検査

検 査のためとは言え、1.8リットル以上の下剤を飲むのは、かなりの苦痛を伴います。飲むのもたいへんですが、飲んだ後は数回にわたって下痢状の便を出すた めトイレに通わなければなりません。病院のトイレに何回も通うのを他の患者さんに見られるのは、あまり気持ちのいいことではありません。
 また、大量の下剤を飲むことの副作用として、腹痛、脱水、血圧低下などがあるため、自宅での服用はお勧めできません。
 当院では下剤を飲まないで便を完全に排出するために、大腸洗浄を選択することもできます。副作用もなく、トイレに通う必要もありませんので、快適に前処 置をすることができます。国内のいくつかの病院では、すでにこの方法で前処置をおこなっており、今後普及するものとみられています。


下剤服用の場合
 検査の3〜4時間前に来院
    ↓
 1.8リットルの下剤を服用
    ↓
 トイレで排便
    ↓
 大腸内視鏡検査


大腸洗浄の場合
 検査の1時間前に来院
    ↓
  大腸洗浄
    ↓
 大腸内視鏡検査

患者様のご希望に応じて選択が可能です。
お気軽にご相談ください。








 ポリープ切除(ポリペクトミー)

ポリペクトミーとは
ポリ ペクトミーとは良性腫瘍を含めた隆起(りゅうき)性病変を切除・治療する方法です。ポリペクトミーを行う腫瘍は通常、茎や起始部の径が10〜15ミリ以内 の小さなものです。また形態は隆起状のものが多く、一部は表面型の病変もあります。

高周波スネアと呼ばれるワイヤーを投げなわのように隆起物の根元にかけ、焼き切る方法と、ワイヤーを閉めて根元を壊死(細胞が死滅)させて自然脱落させる 方法があります。高周波スネアで切除したポリープは、回収して組織検査することで、良性・悪性の判断や悪性度の判断が可能になります。