(元大阪体育大学教授)
      シニアの健康学 F             (スポーツ整形外科医 市川 宣恭 監修資料より)         
       

  腰の病気

 1.腰 痛
     腰痛には内臓疾患の一症状であったり、運動をしてはいけない骨、神経、
     筋の疾患もあります。

 (1)いわゆる腰痛症→腰椎のエックス線像に異常なく、筋、筋膜、靭帯などの
            異常刺激、微少外傷が原因となる。
 (2)変形性腰椎症 →エックス線で加齢変化が認められ、中年以降の人に多く、
            いわゆる「老化」による。起床時しばらく痛むのが特徴です。
 (3)腰部捻挫   →外力による腰椎の関節の損傷です。
 (4)脊椎分離症  →腰椎の椎弓の一部に骨の分離が認められます。
            症状がないものが大部分で腰痛が発症するのは10%以下です。
 (5)椎間板ヘルニア→椎間板の破線により、神経が圧迫されたり癒着した結果、坐骨
            神経痛を伴います。
 (6)腰椎脊椎狭窄症→脊髄や神経の入っている背骨の管が狭くなり、その部分の循環
            障害が原因となる。
            しばらく歩くと足が前へ出にくくなり、休むと再び歩けるよう
            になる。
 (7)その他

 2.原 因
    原因の基礎には運動のやり過ぎか、運動不足により筋肉、関節などの障害が起こり
    機能低下(筋力弱化、柔軟性低下、関節の動きの悪化)が症状をより悪化させます。

 3.予防と対策
    常日頃から適度の運動により、筋力の低下を防ぐように心がけること。
    体操には主に、柔軟性を養う体操と筋力を強くする体操があります。できる範囲
    から徐々に回数を増やしていく。症状の重いときは医師の指示を受けて下さい。

 簡単な体操 例(1)トランクカール 膝を立て寝て上体をやや起こす、もどすを繰返す
        (2)ヒップアップ  膝を立て寝て腰を上げる、もどすを繰返す
        (3)片膝かかえ   寝た状態で膝を手で胸につける、左右交互に繰返す
        (4)片足上げ    寝た状態で膝を伸ばし大きく上に、もどす左右交互
                   に繰返す
        (5)前 屈     膝を伸ばして座り、上体を前にたおすを繰返す