(東京大学医学部産科学)
      シニアの健康学G                   (産婦人科教授 武谷 雄二 監修資料より)  
      

  骨粗しょう症
  
     骨粗しょう症による骨折は、寝たきりの原因の第2位となっています。寝たきりは
    痴呆(ボケ)をはじめとする、さまざまな合併症を誘発することにもなります。
  
  1.骨粗しょう症とは
     骨はカルシウムや線維などで出来ていますが、その量は年齢とともに減少します。
    そして骨の中身がスカスカになり、そこに荷重がかかって骨折したり、また骨折を起こし
    やすくなっている状態をいいます。
 
  2.骨は生きています
     骨は硬いので、ずっと変わらないのではと思われがちですが、骨折した骨がもと通りに
    治るように、骨も新陳代謝を絶えず繰り返しつつ一定の構造を保っています。
    骨の量は30代でピークに達し、その後、年齢とともに徐々に低下していきます。
    特に女性の場合は閉経後、急速に減少します。
 
  3.どんな症状が現れるか
     @ 背中や腰が痛くなります(重くなった感じがする)。
     A ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
     B 身長が縮んできます。
     C 背中が丸く、腰がまがってきます。
 
  4.どんな人がなりやすいか
     @ カルシウム摂取量が少ない人(牛乳、乳製品が嫌いな人)
     A 体重の軽い人
     B 運動をしない人
     C 日光に当らない人
     D タバコ、アルコール摂取量の多い人
     E 既往歴に糖尿病、卵巣摘出、消化管手術を受けたことのある人
  
  5.なぜ女性に多いのか
      骨粗しょう症は女性、それも60歳以上の中高年婦人に多い病気です。これは
     もともと女性の骨の量が男性に比べて少ないことや、閉経に伴い卵巣からの女性
     ホルモンの分泌が減少することが大きく関係しています。
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