保険で外科的矯正ができるということは、まだ一般にはあまり知られていないと思います。
それでもわたしの診療室で、去年、おととし、年間数症例は、すぐ近くにある砺波市総合病院・口腔外科で手術を受けました。
医療技術も進歩しているので、昔と違い、一週間程度で退院でき、術後経過も良好。近所に優秀な外科医が居てくれるのは、本当に助かります。
下顎前突、下顎の後退(あるいは小下顎症)、など、上下顎骨の大きさのアンバランスが大きいケースや、顔面非対称(顎骨の横へのゆがみ)のように、左右のアンバランスが顕著なケース、要するに顎の骨の大きさや形態に問題がある場合は、外科手術によって顎骨の形を正常にしないと、かみ合わせも正常化できません。
そのような患者さんには矯正と外科が共同して治療に当たっているわけです。
 手術は、顎の骨の成長が完了する16、7歳以降に受けますが、手術前の矯正に1年半ほど時間がかかるので、高1のはじめに術前矯正を開始すれば、高2の冬休みか、高2から高3へ上がる春休みに手術を行い、卒業前に矯正装置を外して終了。
もちろん二十歳以降、社会人になってから外科的矯正をする患者さんの方が多いのですが、仕事、結婚、出産など、治療を円滑に進める上でクリアーしなければならない課題も多いのは事実。
できれば高校、大学の学生時代に治療しておくのが好いと思います。